実在する珍しい名字 (3)

変えちゃった系

元々は違う名字だったものを意識的に変えた、という名字です。
今と違い、江戸時代以前は自由に名字を変えることができました。ですから、本家と分家で漢字や読み方を変える、というのは別に珍しいことではありませんでした。
その際、とても変わった漢字を使ったりして、珍しい名字となったものも多数あります。

東京 とうきょう

都道府県名と同じ名字は、北海道・愛媛・沖縄を除いてすべて実在します。この3つが実在しない理由はも戸籍制度ができたあとの地名だからです。戸籍に登録したあとの地名はもう名字にしようがありません。ですから、北海道の地名の多くは名字には存在しません。微妙なのが明治初期にできた地名で、戸籍とどちらが先だったか、ということになります。
「東京」という地名もこの時期に出来たものですが、名字には「東京」さんが実在します。もともとは「江戸」さんだったのですが、戸籍登録する際に、「江戸が東京に変ったのだから、自分の名字も江戸ではなく東京で登録した」ということらしいです。従って、東京家は東京じゃないところにあります(全国1世帯とか)。

華表 とりい

「とりい」さんと言えば、普通は「鳥居」と書きます。鳥居とはいうまでもなく、神社の入口にあるもので、日本独特のものです。しかし、中国にも似たようなものがあり、これが鳥居のルーツだという人もいるようです。
この中国のものを「華表」といいます。そこから、「鳥居」さんの一部が「華表」と漢字を変えたようです。博学のご先祖がいたんですね。ここからさらに変化した「花表/とりい」という名字もあります。

鼻毛 はなげ

大阪府にある名字で、珍しい名字の代表としてよく話題になのます。
鼻毛家によると、もともとは「髭」という名字だったそうです。ところが、先祖(幕末あたりの頃の人らしい)が、「髭」という名字がいやで「鼻毛」に変えた、といわれているそうです。そこまで「髭」を嫌がった理由も何かあったんでしょうが、残念ながらわかりません。