あっと驚く幽霊名字の実例

幽霊名字の実例をいくつか紹介しましょう。(他にもたくさ~んあります)
本名でないもの小林山(こぱやしやま),名寄岩(なよろいわ),富士桜(ふじざくら)→いずれもシコ名
片男波(かたおなみ),二所ノ関(にしょのせき),松ヶ根(まつがね)→いずれも相撲の年寄名
助高屋(すけたかや,歌舞伎の屋号)
月亭(つきてい)---月亭可朝では?。この他、式亭は式亭三馬、曲亭は曲亭馬琴ではないだろうか?
麻世(ませ)---おそらくタレント麻世れいら。麻耶は急死したSKDの麻耶れいか?
悠木(ゆうき)---女優・樹木希林の前名・悠木千帆(ゆうき・ちほ)では?
(はるか)---女優・遙くらら。或いは遙洋子。他にもペンネームなど多数
利重(りじゅう)---作家・利重剛(本名は笹平)。利重(とししげ)ならあり。
姓名間の
区切り間違い
安里積(あさとつみ)→安里積千代(あさと・つみちよ,沖縄の政治家)
見坊田(けんぼうでん)→見坊田●雄(けんぼう・たずお,元盛岡市長) ※●は雨かんむりに鶴
近新(こんしん)→近新三郎(こん・しんざぶろう,戦前の東京市助役)
清崟(せいきん)→清崟太郎(せい・きんたろう,大正時代の政治家)
フルネーム皇至道(すめらぎ)→(すめらぎ・しどう,1899~1988,教育学者)
西周(にしあまね)→(にし・あまね,1829~1897,思想家)
今覚(こん)→(こん・さとる?,未確認)
誤植愛甲(あいかぶ)→旧仮名遣い「あいかふ」の誤植
足田(あんだ)→「シ」と「ン」のミス。他にも峪口(さゆぐち,「ユ」と「コ」のミス)、原沢(はわさわ,「ラ」と「ワ」のミス)
石渡(いわした)→「わ」と「し」が逆転。他に内海(うみつ)、末本(すえとも)、野代(しのろ)など
五百蔵(いおらい)→いお「ろ」い
小柴(おこのぎ)→小此木を縦書きしてあったのでは
小坂(おさが)→「おざか」の濁点ミスか
(くじら)→「鯨」のミスか。よくみると似てるかも
分口田(くもだ)→「口分田」が逆転
(しん)→「申」の誤植。このパターンには谷古「字」(やこう)、「全」地(こんじ)など多数
少島遊(たかなし)→小鳥遊を2ヶ所ミス
入鳥(にお)→が正しい
冨金原(ふくきんばら)→「く」が余計
東恩納(ひがしろんのう)→沖縄の東恩納(ひがしおんな)。原因不明
一オ木(ますき)→一寸木の誤植,
満里小路(までのこうじ)→公家の万里小路のミス
四十八朝(よいなら)→四十八「願」の誤植。他には蜂岸(みねぎし)など
(わたい)→わた「り」の誤植
四月一日(わため)→「わたぬき」の誤植+欠落
欠落(誤植)頴娃(え)→「えい」の「い」が欠落。一条(いちじょ)、戸伏(と)などこのパターンは多い
(ふかい)→「深井」の「井」が欠落。小枝(こえさし,小枝指が正しい)、(しずおか)、(もてぎ)など、このパターンも多い
有名な
インチキ名字
十八女(さかり)---さかりがつく?
十二月一日(しわすだ)---師走だ!
春夏秋冬(ひととせ)---四季で1年
八月一五日(なかあき)---中秋の名月なので
十二月晦日,十二月三十一日(ひづめ)---年末で日がつまっているから
勘違い敢臣族岸(あいおみぞくきし)---古代豪族敢臣氏(臣は位)の一族の岸氏、という意味で名字は「岸」。
大長光(おさみつ)・小長光(おさみつ)---名字は長光(おさみつ)。大小は区別するための通称
一寸八分(かまつか)---一尺八寸(かまつか)のミス。一寸八分(4cm)の柄の鎌などあるわけがない
今帰仁(こんきじん)---今帰仁(なきじん)のミス。琉球の尚王朝の分家で沖縄を代表する名家。たぶん振り仮名がなく適当に読んだ
上海(しゃんはい)---中国語・・・。
弟翳(せ)---上代、女性から見た男の兄弟のことを「せ」という。何か上代の資料に「弟(せ)の翳(名前)」とでもあったのでは。
世阿弥(せあみ)---論評不能。せめて「ぜあみ」に。世阿弥は法号、名前は観世元清。
竹田宮(たけだのみや)---これは皇族の宮家の名称。名字ではない
竹田連(たけだのむらじ)---連は古代豪族の姓(かばね)。名字は竹田
疋田斎藤(ひきたさいとう)---疋田に住んだ斎藤氏の有力氏族(著名です)。名字は斎藤
冷泉院(れいぜいいん)---冷泉院とは退位した冷泉天皇のこと。
(のしょうの)---「~の庄の~」のことで人名ではないのでは。これを人名と思える感覚はすごい。
??(わたなべ),(つくれじま),(つずき),(とうもろこし),(はだかす)
はおそらく渡辺競という人名から、はおそらく安口(はだかす,地名にあり)から
論外子子子子(ねこじし),谷谷谷谷(たにかべやつや),十一月二十九日(つめづめ),
百千万億(つもい),言語道断(てらくだ)

※ここに掲載したものは、すべて名字関係の事典に収録されているものです。あえて書名は記しません。
 詳しくは「名字の謎がわかる本」(幻冬舎文庫)を参照してください


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